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未視感ハミング

岡田裕子 原良介 松原壮志朗

2011.6.17 - 7.17

12:00 - 20:00(金土日Open)

■ オープニングレセプション/6月18日(土)17時30分~

■ 夏のゲルパーティー/7月17日(日)/参加費¥500

ゲルオルタナ

*「未視感」=すでに経験して慣れ親しんだことがらが、まるで はじめての経験のように感じられること。

 

 たくさんの新しい自分( 今) に出会ってますか。今日の自分と明日の自分は違っています。いっけん同じように思えても違います。私たちは流れの中で変化していく生き物です。もし仮に、未来と過去にこだわり、また引きずられてしまえば、それは見返りを期待するという意識を産み出します。そうなれば、今という現実世界は閉じ、背中に罪という重石を背負いながら孤独そして恨みの仮想世界を生きることになるでしょう。もしくは、その仮想世界における孤独に耐えきれず、自身のみ( ひとつの自分) が存在する世界を正当化し、それを受け入れない他者は悪とみなし攻撃する者も現れるかもしれません。

 流れの中で、未来も過去も切り捨てられる強い精神力を持ち、常に自分を切り替え、たくさんの新しい自分( 今) を産み出すことが出来れば、孤独は薄れ、誰も恨むことのない世界が広がっていくように思えます。

 

 私は問いたいのです。

 

 「ひとつの自分としか向き合えず、時系列に沿った視点を持つことしか出来ない、そのような意識でつくられた作品」と、「未来も過去も切り捨て、新しい自分( 今) を次々と産み出すことで複数の時間軸を生き、それがそのまま表象化される作品」どちらの作品が私たちに〈開かれた現実世界〉を見せてくれるのか、またどちらがこれからのアートに必要不可欠なのかを。そして、今回の企画された展覧会「未視感ハミング」に出展する三人のアーティストが、前述した後者の意識を持ったアーティストであることを確信し、皆様に〈開かれた現実世界〉をお見せすることをお約束します。

愛憎弁当 ビデオ作品 2007

岡田 裕子

Hiroko OKADA

 

1970年東京生まれ、1993年多摩美術大学絵画科油画卒業

2010年~ オルタナティブ人形劇団「劇団☆死期」主宰

主な展覧会

2009~10「NO MANS LAND」旧フランス大使館

2009 個展「翳りゆく部屋」ミヅマアートギャラリー/東京

2008「VIDEOFORMES 2008」クレモンフェラン、フランス

2007「Global Feminisms」Brooklyn Museum/ニューヨーク

2005  「MOTアニュアル2005:愛と孤独、そして笑い」東京都現代美術館/東京

 

岡田裕子の作品の多くは社会的な問題を扱っている。にもかかわらず、

作品からその問題に対しての肯定的否定的な匂いを漂わすことがない。

それは、観客にとって安定さを奪い不安定な心理に導くことかもしれない。

しかし現実には、正悪ときれいに二分された世界などどこにも存在しない。

岡田の作品はメッセージではない。現実の表象なのだ。

《by a lake》/油彩,キャンバス/162.0 x 227.3cm/2007 個人蔵  

photo: 加藤健

courtesy: Yuka Sasahara Gallery

原 良介

Ryousuke HARA

 

1975年神奈川県生まれ

個展

2008「ゆらめき地平面」Yuka Sasahara Gallery、東京

2009「project N 36 原良介」

    東京オペラシティアートギャラリー、東京

グループ展

2007 「東京画-ささやかなワタシのニチジョウのフーケイ」

    トーキョーワンダーサイト渋谷、 東京

2010「3331 Arts Chiyoda グランドオープン記念展

    『3331 Presents TOKYO: Part1』

             3331 Arts Chiyoda 1階ギャラリー、東京

 

原良介の絵画は何故か視点が定まらない。それは描かれる図像に筆触が従属していないと、また図像とある図像に主従関係がないこと、つまり描かれる全てのものが、同じ力でそれぞれ自律して存在しているのである。それは、私たちが頭に思い浮かべるイメージではない。私たちが生きる世界そのものように思える。

松原 壮志朗

Soushirou MATUBARA

 

1980年北海道生まれ

個展

2010  『信頼』/casaasia バルセロナ

2007  missing mass 2-3 /ヒロミヨシイ 東京

グループ展

2011  GOOD NIGHT MIHOKANNO/アキバタマビ 東京

2006  After the reality/ダイチプロジェクト ニューヨーク

 

松原壮志朗は、100年後世界はどうなっていると思うかという雑誌のインタビューに対して、「明日、世界が終わろうとも、あなたは今日、林檎の木を植えるという言葉が好き。

もしもみんながそういう気持ちを奪われたら、もう終わりだと思う」と答えている。

松原は、前にも後にも引きずられずに目の前にあるものを素直に触れることができるアーティストである。

それはまさに《今》を本能的に生きるための条件なのだ。

GOOD NIGHT MIHOKANNO  2011展示風景

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