土居下君と展示に関しての話し合いをしている最中に、「ポストマン=幽霊的存在」という言葉がどこからともなく出てきました。
そして土居下君はポストマン自身になることを受け入れたのです。それは、ゲルオルタナ運営メンバー3人と土居下君をゲルオルタナに紹介した結城加代子が交わす情報(確定記述=手紙)に仲介人として土居下君が入り込み、その情報を早めたり遅らせたり、時には遮断し、時には恣意的に組み換えたりする目に見えない役割を、土居下君は受け入れたのです。
その出来事を契機として、土居下君は人間同士のコミュニケーションによって生まれる言葉を、優劣や全体/中心といった二項対立として捉えるのではなく、常に不確定要素を含みながら言葉の意味を変貌させ、コミュニケーションも変貌させることを、作品(テクスト)として実践しようといるのです。
土居下太意の作品には、言葉がもつ単独的な意味は機能を失っています。そこには言葉にまとわりつくリズム(幽霊的存在)が蠢いているのです。
(ゲルオルタナ代表/美術家 栗原一成)
Pouringmouse ver.0.1/トクトクマウスwer.0.1
2012 (Photo by Takuya Okamoto)
土居下太意 Tai DOISHITA
http://doicyang.carbonmade.com/
1989 東京生まれ
2012-2013 ドイツ ベルリン芸術大学 実験的メディア研究科 短期留学
現在、多摩美術大学美術研究科大学院2年在籍
主な展覧会、受賞歴
2010 第16回学生CGコンテスト奨励賞
2010「成長芸術展」 /スーパーアルプス多摩境店たまびば(東京)
2011「第16回学生CGコンテスト受賞作品展」/新国立美術館(東京)
2011「歌舞伎町アートサイト」/大久保公園(東京)
2011 第17回学生CGコンテスト四方賞 (審査員賞)
2012「第17回学生CGコンテスト受賞作品展」/キヤノン S タワー オープンギャラリー(品川)(東京)
2012「照準と流出」「トクトクマウス 移動Ver.プロジェクション!」 /京橋ASK?P(東京)
2012「地点 POU STO 企画:KAYOKOYUKI」/TALION GALLERY/実家JIKKA(東京
この文章をご覧のみなさまへ (文責:土居下)
たまたま同じ乗り合わせた少しですが、水面の上を鳥
が飛んでいる車両に乗り合わせた機能は何を届けているのだろうか?、
とりあえず、ちょっとかわった誰かのために、もしくは、向かっていることに気づかされる。
届けているのかもしれない誰か
気など持ち合わせていない
誰かに乗り合わせた人、
受取人と差出人を結んでいたであろうその線
すでに今は別の線
影のようなものを届けているのかもしれない
おくりものは
いったい何を機能されているのだろうか?
世界とは時空を超えて
その時に、必ずたまたま
目撃するだろう。
線
その気がない水面 に 写っている 機能
少しですが、まったく関係ない
たまたま乗り合わせた僕は鳥に変身できるのだ。
心なきところにもまだまだ可能性があるという事を、気づかせてくれてありがとう。
(差出人があらかじめ解体された文章。出展作家、土居下太意は、自身の言葉をことごとく失わせつつも、展覧会関係者、栗原一成 /小林 丈人/結城加代子の、宛先の四散する文章の再構成に徹し、展覧会内容を象徴する重要な「この文章をご覧のみなさまへ」の文章として再構成し展開した。)
*blanClassにて土居下太意のパフォーマンスが行われます。
ゲルオルタナでの個展会期中、blanClassでのパフォーマンスも行われます。
そちらもぜひご高覧のほどよろしくお願いいたします。
KAYOKOYUKI presents [土居下太意パフォーマンス]
昨年、真夜中のCAMPでベルリンからのスカイプ・パフォーマンスを行った土居下太意。
賛否両論の中、KAYOKOYUKI presentsにより復活です。
日程:9月21日(土)
開場:18:00 開演:19:30
入場料:1,000円
会場:blanClass http://blanclass.com/japanese/
〒232-0006 神奈川県横浜市南区南太田4-12-16
アクセス【京浜急行線ー品川駅から約35分、横浜駅から約15分】
京浜急行[井土ヶ谷駅](横浜駅から普通下り5駅)改札出て正面の信号わたりすぐを左折、
一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細
い段々を上がって右の建物2階
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結城 加代子 Kayoko YUKI
1980年新潟県生まれ。2007年よりmagical, ARTROOM、island JAPANの勤務を経て、11年9月より
KAYOKOYUKI設立。
現在、末広町にオフィス&ビューイング・ルームを構え、現代アートに関する企画とアーティスト
のマネージメントを行う。特定の展示スペースを持たず、作家 や空間に合わせてフレキシブルに企
画を
展開している。主な企画展に、『採光 -let inlight-』、『地点 –POU STO-』、『SLASH』など。
また、若手ギャラリーの共同体、『COVERED TOKYO』の運営、『オンゴーイング・スクール』の
企画を担当。
KAYOKOYUKI: http://www.kayokoyuki.com
COVERED TOKYO: http://coveredtokyo.com
オンゴーイング・スクール: http://www.ongoing-school.com